2019年2月に16歳7日でお空へ旅立った我が家のビーグル犬まいちゃんが、生前1ヶ月ほどレンタルしていたペット用の酸素室について、1年ほど前に導入編とレビュー編に分けて詳細記事を書いていました。
その時、最後に書こうとしても書けなかったことがあるのです。
途中まで書いていたのですが、当時は自分を責める気持ちが強く、人にもなかなか語ることができずに苦しんでいたので、このような記録があっても悲しくなるだけだと思ってすぐに消してしまったのでした。。
まいちゃんの命日を迎えて、そんな自分にも向き合えるようになり、1年後の今、ようやく書いてみようと思いました。
死に関して書かれているので、辛い方はお読みにならない方がいいかもしれません。
なお、テルコムさんのペット用酸素ハウスを導入した記録、使ってみてのレビューは下記のリンクより合わせてお読みください。
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余命を宣告されてから
2018年8月、愛犬まいちゃんが血管肉腫で脾臓摘出手術をして、余命6ヶ月と宣告されてから、後悔のないように一日、一日を大事に過ごしてきました。
幸いにも在宅でできる仕事をしていたので、ずっとまいちゃんのそばで過ごすことができていました。
そして、私はそれから4ヶ月もの間、家族にも友人にも、まいちゃんが余命宣告を受けたことを話していませんでした。
手術してから4ヶ月は転移も見られず、まいちゃんも元気に過ごしていたので。
もし誰かに余命のことを話してしまったら、その意識が現実を創ってしまうのが怖かったからです。
その時は私自身が、周りの意識や感情に左右されてしまうのが嫌だったのもあると思います。
それぐらい、自分の心の中は切羽詰まっていました。
余命宣告など当てにならない、まいちゃんは治る!けろっとして長生きするんだ!そういう現実を創りたかったんだと思います。
自分の信じる気持ちをブレずに持っていたいと必死だったんだと思います。
でも、その反面、どう転んだとしても私がまいちゃんの最期を悔いのないように看取るんだという覚悟のようなものもありました。
余命宣告を家族や友人に話したのは
ようやく家族や友人に、まいちゃんが余命宣告を受けた話しをしたのは、2018年12月。
余命宣告を受けてから4ヶ月ぐらいしてからのことだっと思います。
まいちゃんのお腹にあざのようなものを見つけて、おそらく血管肉腫が皮膚に転移したのでした。
それから貧血気味にもなり、いよいよ家族にもまいちゃんと過ごせる残り少ないかもしれない時間のことを告げなければと思ったのでした。
それから、友人に話したのは、もう隠しきれないなと思ったからだと思います。
どんなことよりもまいちゃん最優先で過ごしてきたので、理由も言わずに友人の誘いも断っていましたし、そろそろ事実を告げる時が来たと感じたのです。
酸素ハウスのテルコムさんには感謝しかない
2019年1月、まいちゃんは呼吸で苦しむようになり、度々変な吠え方をするようになりました。
病院でとりあえず借りたビニールの簡易型テントの酸素ハウスと、ポータブルの酸素吸入器では十分な酸素を取り入れることができずに、チアノーゼが出てきたりするなどしてもう最期を覚悟した瞬間もありました。
その後すぐに、きちんとした酸素ハウスのレンタル会社テルコムさんからペット用の酸素室をレンタルしようと決め、電話をしたらその日のうちに(半日で)設置に来てくださって、まいちゃんは本当に九死に一生を得ました。
業者の方が酸素ハウスを設置してくれている時、私はまいちゃんを抱っこしながら、ポータブルの酸素マスクをまいちゃんの口に当てていました。
まいちゃんは強い風を嫌がるようで、程よい距離を調整してあげないとすぐに酸素マスクから逸れてしまいます。
なので、何時間も手が離せず、トイレだけは家族に交代してもらい、私がずっと弱っているまいちゃんを抱えていました。
それぐらい、もうまいちゃんがヤバイかもしれない!だったのです。
そんなまいちゃんが、酸素ハウスに入ってからはみるみる回復していきました。
それまで立つことさえ出来なかったのに、立ってご飯も食べるようになり、そのうち外にドライブやお散歩に行けるまでになりました。
なので、本当にこの酸素ハウスがなければ、まいちゃんの余生はもう少し短かったと思います。
まいちゃんがまた元気になってくれたのはこの酸素ハウスのおかげです!
旅立ちの朝
酸素ハウスが来てからまいちゃんは一時元気になったけれど、お腹を見ると転移部分がだいぶ拡がってきているようでした。
眠れないことも多くなって、痛み止めを飲ませる回数も増えました。
この時期は看病する側はほとんど眠れませんでした。
友人からメールをもらっても返す時間も余裕も全くありませんでした。
まいちゃんは、私がそばに居ないとダメな犬だったので、ちょっとお風呂に入るのもまいちゃんが寝ているすきにとか、家族に見てもらいながらとか、モニターを設置してお風呂で観察しながらとか、とにかく自分だけの時間は無いに等しかったです。
私が使っているモニター(ドッグカメラ)はこちら↓
まいちゃんを酸素ハウスに入れている時は、吠えるとすぐに私が丸い窓から手を入れてずっと身体をさすっていました。
そして、2019年2月13日の朝方早くに、まいちゃんが血を吐きました。
あまりに苦しそうな吐き方で、私は気が動転していました。
あまりに早い時間だったけど、このまま何もせずにはいられないと思い、病院の先生の携帯に直接電話しました。
声にならないほど動揺して泣きながらなんとか状況を説明したのを覚えています。
朝を待ってから病院で診てもらうことになったのですが、2時間後にまたまいちゃんが血を吐いたりして、これほど待つという時間が長く感じたことはなかったです。
まいちゃんのあの苦しそうな形相が、今も忘れられません。。
何が後悔だったのか?
酸素ハウスがあるという安心感が招いた後悔とでもいうのかもしれません。
朝、病院で診てもらって、できる限りの治療をしてもらいました。
あとは、自宅へ戻ってから痛み止めを飲ませるように指示がありました。
私は、今日一日がまいちゃんと過ごすヤマだと思いました。
今夜の看病に備えて、ずっとそばに着いていられるように、薬でまいちゃんが寝ている今のうちにお風呂は済ませておこうと思ったのです。
思えば、この自分の判断も今となっては悔しいです。。
先生に言われたとおり普段よりも多めに痛み止めを飲ませたら、まいちゃんは眠りました。
あの苦しそうな形相も消えてすやすやと眠ったのです。
私はそこで安心してしまいました。
朝方、すごい音を出して血を吐いて苦しそうな形相をしていたまいちゃんが、穏やかな顔をして眠ってくれたので、それだけでほっとしてしまいました。
まいちゃんの命は今日一日はもってくれると思っていたのです。
そして、そこに酸素ハウスがあることがとても安心でした。
「酸素があれば命は守られる」そんな風に思ってしまった部分もあると思います。
この状態のまいちゃんを酸素ハウスに入れずに酸素マスクを口に当てて対応するか、それとも全身で酸素を取り込めるように酸素ハウスに入れるか迷いました。
朝から病院に行ってきたことだし、やっぱり疲れているだろうから全身で酸素を取り込めるように酸素ハウスにしばらく寝かせた方がいいだろうと判断しました。
そして、モニターを見ながら私はお風呂に入りました。
急いでお風呂から上がり、ケースごしにまいちゃんを見てもぐっすり寝ているように見えました。
それからしばらくして、次の薬を飲ませる時間が来たから飲ませようと酸素ハウスの扉を開けてまいちゃんを触ると冷たくなっていました。
薬を鼻チューブから入れてもうまく入って行かずに出てきてしまいました。
その時ようやく気づきました。
まいちゃんの心臓が止まっていたことを。
声を上げて泣きました。
何度もまいちゃんを呼びました。
まいちゃんの余命宣告を受けた時から、最期は絶対に私がそばで看取ると決意していただけに、最期、あの小さくて透明なプラスチックのケースにまいちゃんひとりを入れて逝かせてしまったかもしれないことに、とてつもなく後悔しました。。。
どのタイミングで逝ったのか、正確にはわかっていません。
でも、薬を飲ませたすぐあと、まいちゃんをしばらくそばで見ていた時に「わんっ」と微かな声で吠えた、あの吠え方が最期だったのかもしれません。
そう考えると、自分がまだそばで見ている時に逝ったのかもしれませんが。
その時はようやく穏やかな顔して眠ってくれたという安心した気持ちしかなくて、本当に寝ているものだと思っていたので、これが最期だとは思いませんでした。
何故、あの時お風呂に入ってしまったのか。
何故、あの時まいちゃんをひとり酸素ハウスに入れて安心してしまったのか。
これまで24時間ずっとまいちゃんのそばで「悔いのないように」と看病してきただけに、最後の最後がこんな形になってしまったことに、後悔する気持ちが今もまだ抜けません。
まいちゃんがいつ逝ってしまったのか、寂しがり屋のまいちゃんをプラスチックのケースの中でひとりで逝かせてしまったのか、わからないなんて。。まいちゃんごめんね。。って気持ちが今も残っています。
全てが最善
たられば言っても仕方ないのかもしれません。
どうしてたって、こうすれば良かったは残るのかもしれません。
悔しいと思えるってことは、それだけ全力で取り組んでいたということなのかもしれません。
事実は変えられないので、後悔している自分も最善だと思うことにしました。
どれもが最善に物事は起こっている。
それなら、その出来事を後悔している気持ちを持っている自分さえも最善。
一年経って、このことを話せるようになったのは、どんな気持ちもどんな過去も許せる自分がいるからなのかもしれません。
もし、同じように看取り方で悔やんでいる方がいるとしたら、それもご自身に愛があるからであり、きっとお空組のペットちゃんはそのことをわかってくれていると思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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